「ソドムの市」粗筋 発端は18世紀のこと。領主、俎渡海市兵衛(浦井崇)の婚礼の儀式がとり行われているまさにそのとき、花嫁が血を吐いて死ぬ。その枕もとに「調伏の印」を見つけた市兵衛は、腰元のテレーズ(小嶺麗奈)とキャサリン(宮田亜紀)の仕業だと決めつけ、二人を恐ろしい責め苦にあわせる。「怨みの一念、必ずや報いてやる」の言葉と共にこと切れるテレーズとキャサリン。二人のいうとおり、それはまったくの濡れ衣であった。この瞬間、俎渡海一族に末代にわたる地獄の呪いが襲いかかる。 300年後、市兵衛の子孫、俎渡海市郎(浦井崇=二役)は、破壊的人間の血を受け継いでしまったせいで、子どもの頃から何人もの人間を殺めていた。そんな兄を不憫に思う妹、キャサリン(宮田亜紀=二役)。だが、なんという恐るべき因果か、彼女こそは、市兵衛に殺された腰元、キャサリンが現代に転生したものであった。やがて、成長した市郎が妻を迎えようとした宴の席で、キャサリンは兄を慕うあまり大量殺戮をもたらしてしまう。時を超えた呪いはついに市郎にふりかかり、彼は人間ならざる大悪人へと変貌。妹キャサリンまでも斬り殺してしまうのだった。 キャサリンの亡骸を収めた棺桶と共に旅をする市郎は、道すがら、近藤(近藤聖治)、安里(安里麻里)、マチルダ(中原翔子)といった手下どもを配下に治め、悪逆非道の限りを尽くす。そしていつしか「ソドムの市」と呼ばれて社会に混乱と恐怖をまき散らしていた。そんなソドムを兄の仇とつけ狙う女刑事テレーズ(小嶺麗奈=二役)。彼女こそは、もう一人の腰元、テレーズがこの世に転生した存在であった。テレーズは特殊工作員を野に放ち、部下の蛇吉(園部貴一)と共にソドムの足取りを追うが、そのアジトは杳として知れない。 一方のソドムは処刑寸前のマッド・サイエンティスト、松村博士(松村浩行)を刑務所から脱獄させ、秘密の魔法陣へと連れてくる。自分の黒魔術と博士の研究を合体させ、更なる破壊活動を行うためだ。次から次へと繰り出される犯罪や社会不安の数々に高笑いの止まらないソドム。しかし、成仏できない死体のキャサリンは彼にクギを刺す。一族にふりかかった「両婦(ふため)地獄」の呪いはソドムを悪人にするだけでは収まらず、もっと大勢の人間を巻き添えにせずにはおれないものであった。時空を超えたキャサリンからの魂の呼びかけに、テレーズも自らの因縁因果の糸をかすかに感じ取っていた。 やがて「マチルダ心霊研究所」が怪しいと睨んだテレーズは蛇吉と潜入。ついにソドムたちと遭遇するが、まんまと逃げらてしまう。しかし残されたメモからソドムが企む最悪の破壊計画が、松村博士の開発したニードルガンを使って神経系統を狂わせ、人間を自由にコントロールするばかりか、たった一言で凶暴化させてしまうという戦慄すべきものであることをテレーズは知る。そしてソドムはニセの蛇吉を警察署に送り込み、「3月10日に恐ろしいことが起きる」とテレーズに警告を与える。 3月10日、それはいったい何を意味するのか? 果たしてテレーズはソドムの恐るべき計画を阻止することができるのか? 離ればなれとなったテレーズとキャサリンの運命は?! 俎渡海一族にかけられた地獄の呪いは解けるのか?! 刻一刻と終末の時が近づく! |