初日、大盛況おめでとうございます。この2年間『ソドム』に蹂躙され続けていた我々でしたが、ついに「野獣は野に放たれた」という無責任に爽快な気分です。
しかし本当に高橋さん、いろんな事覚えてますねえ。僕はもう、なにからなにまで忘れて行く。どんどん記憶が薄れて行く。若年性痴呆症じゃないかと、本気で思うくらいです。20秒前にした事も忘れてる、末期的です。まあ高橋さんは日記をつけてますから、これが無駄記憶の泉かもしれませんね。いったいなにが書かれているのか恐ろしいですが...。しかし、今時日記をつけている人、人口の何パーセントいるんだろう。国勢調査で調べてもらいたいです。
だけど『白老アイヌ』、高橋さんと観に行った事すら忘れていた。素晴らしい映画でしたね。後なんだっけ、女の子3人の姉妹が次々溺れる、確か戦前の修身映画ですね。もう最近の映画、ぜんぜん観なくなって、フィルムセンターやアテネでモノクロサイレント映画を観るか、レンタル屋で訳の分からん映画を借りてくるか、どっちかになってます。最後に観たハリウッド映画って、『チャーリーズエンジェル』かも...。そうそう『白老アイヌ』でイヨマンテ、見ましたね。ホントは熊を食うところまで見たかったけど、そこまではやらなかった。『インフェルノ 蹂躙』で、犬が由良さんを食うところ。なるほど高橋さん的には、そういう意味だったんですか。でも、それならやはり被害者(立原麻衣)がちゃんと由良さんを食って、うんこしなきゃダメですね。もったいない!
「浦井をクビリ殺そう」と高橋さんに提案した事は思い出しました。あの頃はまだボニーとクライド的、のろわれた兄妹の殺人旅行みたいな話だったんです。僕は『インフェルノ 蹂躙』みたいな線かな、と考えてたし。で、殺された浦井が地獄巡りをする。いろんな地獄を描こう、みたいな夢もありましたがそれは大変なんで。でも、確かに浦井君は熊に似てますね。顔がチンポコに似てるとBBSに書いたら、井川さんから「BBSが下品の園になるから、やめなさい」と言われて、泣く泣く消してしまいましたが。
しかし、あいつは熊にも似てる。確かに似てる。マイフェバリット動物パニック映画『グリズリー』(76)を思い出します。いつも自慢する事ですが、僕は『ジョーズ』を観てない。『エクソシスト』も『ダーティーハリー』も『東京物語』も『風と共に去りぬ』も最も尊敬するコルブッチの『続 荒野の用心棒』まで観てない。『燃えよドラゴン』と『サンダ対ガイラ』を観たのも数年前です(と言いつつ、先日12チャンネルで『ダーティーハリー』『エクソシスト』を観てしまった...ああ観てない自慢が減ってしまう)。『ジョーズ』が流行ってた頃、近所の友達が映画を観に行くというので、一緒に連れて行ってもらったのが『グリズリー』でした、自分で行きたいと思って劇場に足を運んだオトナの映画、第1号ですね(これが『ジョーズ』なり『ダーティーハリー』なら僕の人生も変わっていただろうに...)。で、『グリズリー』、まるっきり面白くなかったです。同時上映の『地底探検』(だっけ)の方がずっと面白かった。でもなぜか印象に残ってるのは『グリズリー』の方なんですね。助監督が振り回してる熊の手の「ハリボテ実在感」が僕の一生を決定づけたようです。その後、『アニマル大戦争』『魔に問う』(あっ、こんな字が出てしまった!)いや、『マニトウ』ですが。ウイリアム・ガードラーの映画だけは、日本上映作全てを観ている、なんの自慢にもなりません。話を戻しましょう。浦井は確かに熊にも似てる。今年はあちこちで熊が暴れてますが、ウイリー・ウイリアムスはなにをしてるのでしょうか? いっそ、ウイリーと浦井のデスマッチを映画にすれば、ああ、話が戻らない。そういえばいつだったか『海ズリー』という映画の企画を立てた事がありました。マタギ(宮田か松村)に追われた熊(浦井で良いですね)が山から逃げ出し、海に逃げ込む。あまりに海中に居過ぎたため、水かきが出来、えらが出来、海中でサケを襲う。遡上してくるはずのサケが激減し、北海道はパニックとなる(北海道に海水浴場ってあるのかな)。そして、ついに海水浴客のビキニの姉ちゃん達が襲われる。阿鼻叫喚。戦慄の石狩海水浴場。 しかし、そこには嫁さんと喧嘩して、日本に流れ着いたロイ・シャイダーがいた(ロイ・シャイダーにやってもらう)。わびしく海辺でトウモロコシを焼くロイ・シャイダー、ネップ投げで暴れる浦井熊、ロイ・シャイダーは、トウモロコシ用のガスボンベで、浦井の頭をかち割り、浦井はがっくり砂浜に膝をつく。しかし、最後の力をふりしぼって襲いかかる浦井。その脳天を、追って来たマタギの銃弾が貫く。海辺で腑分けされた浦井は、ロイ・シャイダーの海の家で、石狩鍋(もちろん、サケもトウモロコシもジャガイモも入ってる)としてふるまわれる。お腹いっぱいになった姉ちゃん達が、海水浴を楽しみ、ロイもその一人と恋仲になり、海で戯れる。ふと、表情の変わるヒロイン。不気味な音楽。表情元に戻るヒロイン。ちょっと頬を染めて、ロイに「ねえ、もう泳ぐの飽きちゃった」と甘えた声。2人は海の家の奥座敷に消えて行く。しかし、泳いでいる別の姉ちゃんが悲鳴を上げる。逃げようとする姉ちゃん。それを追うかのように、ぷかぷか浮かぶ浦井の成れの果て、うxこ。
ああ、話が元に戻った。 とまあ、高橋さんと僕の長電話の正体は、こんな話題なのです。でもそんな中から『ソドム』もできたわけで、馬鹿話もそう馬鹿にしたもんじゃありません。そういえば、浦井をタヌキにして、遠山智子をウサギにして『カチカチ山』をやろうという話もありました。
「高橋さん、『カチカチ山』本気で映画にしたやつ、まだ日本にはいないっすよ! やりましょう、『カチカチ山』!!」なんて話もしてましたね。ああ、これも浦井が背中に火をつけられたり、泥舟で沈められる話だ。僕は彼を憎んでるんでしょうか...。
しかし、もっと話がもどりますが、昨日『ミステリーゾーン』のあの話を思い出せ、と小寺を問いつめた時、泡食った小寺が「リ...リーマービンクリーフが...と口走って、大笑いになりましたが、あれって高橋さんにとって、曙の嫁さんの時と同じく「世の中がどうでも良くなる」笑い、にあたるんでしょうか? ああ、アホな文章書いてしまった。やっぱり疲れてるんですね。今日はここまで、それでは。 あっ、浦井君、なにか文句があったらここに書いて下さい。三つ巴往復書簡も面白いでしょう。受けて立ちます!!
熊殺し ウイリーアム・新谷・ガードラー
(文中の修身映画、これは必見です。といっても、ビデオなんて出てないけど...)
新潟縣魚沼川の悲惨事 四つの魂(46分・20fps・35mm・染色・無声)
学校で、家庭で「責任観念」を教え込まれた模範的な姉妹が、川に落ちた妹を助けるため次々に落ちて四人ことごとく溺死するという「美談」を、再現をまじえつつ劇化したもの。おそらく巡回映写用の作品で、修身の教材等に使われたと思われるが、キャメラを意識する素人の子供の表情が奇妙に生々しく、強烈な印象を残す。(以下略)
25(東京映画月報社)(監)森要(脚)長里清(撮)岩藤隆之(出)染谷定之助、御園艶子、中沢照子、芦屋すヾ子、坂井すみ子、白石まき子、中村嘉子
しかし本当に高橋さん、いろんな事覚えてますねえ。僕はもう、なにからなにまで忘れて行く。どんどん記憶が薄れて行く。若年性痴呆症じゃないかと、本気で思うくらいです。20秒前にした事も忘れてる、末期的です。まあ高橋さんは日記をつけてますから、これが無駄記憶の泉かもしれませんね。いったいなにが書かれているのか恐ろしいですが...。しかし、今時日記をつけている人、人口の何パーセントいるんだろう。国勢調査で調べてもらいたいです。
だけど『白老アイヌ』、高橋さんと観に行った事すら忘れていた。素晴らしい映画でしたね。後なんだっけ、女の子3人の姉妹が次々溺れる、確か戦前の修身映画ですね。もう最近の映画、ぜんぜん観なくなって、フィルムセンターやアテネでモノクロサイレント映画を観るか、レンタル屋で訳の分からん映画を借りてくるか、どっちかになってます。最後に観たハリウッド映画って、『チャーリーズエンジェル』かも...。そうそう『白老アイヌ』でイヨマンテ、見ましたね。ホントは熊を食うところまで見たかったけど、そこまではやらなかった。『インフェルノ 蹂躙』で、犬が由良さんを食うところ。なるほど高橋さん的には、そういう意味だったんですか。でも、それならやはり被害者(立原麻衣)がちゃんと由良さんを食って、うんこしなきゃダメですね。もったいない!
「浦井をクビリ殺そう」と高橋さんに提案した事は思い出しました。あの頃はまだボニーとクライド的、のろわれた兄妹の殺人旅行みたいな話だったんです。僕は『インフェルノ 蹂躙』みたいな線かな、と考えてたし。で、殺された浦井が地獄巡りをする。いろんな地獄を描こう、みたいな夢もありましたがそれは大変なんで。でも、確かに浦井君は熊に似てますね。顔がチンポコに似てるとBBSに書いたら、井川さんから「BBSが下品の園になるから、やめなさい」と言われて、泣く泣く消してしまいましたが。
しかし、あいつは熊にも似てる。確かに似てる。マイフェバリット動物パニック映画『グリズリー』(76)を思い出します。いつも自慢する事ですが、僕は『ジョーズ』を観てない。『エクソシスト』も『ダーティーハリー』も『東京物語』も『風と共に去りぬ』も最も尊敬するコルブッチの『続 荒野の用心棒』まで観てない。『燃えよドラゴン』と『サンダ対ガイラ』を観たのも数年前です(と言いつつ、先日12チャンネルで『ダーティーハリー』『エクソシスト』を観てしまった...ああ観てない自慢が減ってしまう)。『ジョーズ』が流行ってた頃、近所の友達が映画を観に行くというので、一緒に連れて行ってもらったのが『グリズリー』でした、自分で行きたいと思って劇場に足を運んだオトナの映画、第1号ですね(これが『ジョーズ』なり『ダーティーハリー』なら僕の人生も変わっていただろうに...)。で、『グリズリー』、まるっきり面白くなかったです。同時上映の『地底探検』(だっけ)の方がずっと面白かった。でもなぜか印象に残ってるのは『グリズリー』の方なんですね。助監督が振り回してる熊の手の「ハリボテ実在感」が僕の一生を決定づけたようです。その後、『アニマル大戦争』『魔に問う』(あっ、こんな字が出てしまった!)いや、『マニトウ』ですが。ウイリアム・ガードラーの映画だけは、日本上映作全てを観ている、なんの自慢にもなりません。話を戻しましょう。浦井は確かに熊にも似てる。今年はあちこちで熊が暴れてますが、ウイリー・ウイリアムスはなにをしてるのでしょうか? いっそ、ウイリーと浦井のデスマッチを映画にすれば、ああ、話が戻らない。そういえばいつだったか『海ズリー』という映画の企画を立てた事がありました。マタギ(宮田か松村)に追われた熊(浦井で良いですね)が山から逃げ出し、海に逃げ込む。あまりに海中に居過ぎたため、水かきが出来、えらが出来、海中でサケを襲う。遡上してくるはずのサケが激減し、北海道はパニックとなる(北海道に海水浴場ってあるのかな)。そして、ついに海水浴客のビキニの姉ちゃん達が襲われる。阿鼻叫喚。戦慄の石狩海水浴場。 しかし、そこには嫁さんと喧嘩して、日本に流れ着いたロイ・シャイダーがいた(ロイ・シャイダーにやってもらう)。わびしく海辺でトウモロコシを焼くロイ・シャイダー、ネップ投げで暴れる浦井熊、ロイ・シャイダーは、トウモロコシ用のガスボンベで、浦井の頭をかち割り、浦井はがっくり砂浜に膝をつく。しかし、最後の力をふりしぼって襲いかかる浦井。その脳天を、追って来たマタギの銃弾が貫く。海辺で腑分けされた浦井は、ロイ・シャイダーの海の家で、石狩鍋(もちろん、サケもトウモロコシもジャガイモも入ってる)としてふるまわれる。お腹いっぱいになった姉ちゃん達が、海水浴を楽しみ、ロイもその一人と恋仲になり、海で戯れる。ふと、表情の変わるヒロイン。不気味な音楽。表情元に戻るヒロイン。ちょっと頬を染めて、ロイに「ねえ、もう泳ぐの飽きちゃった」と甘えた声。2人は海の家の奥座敷に消えて行く。しかし、泳いでいる別の姉ちゃんが悲鳴を上げる。逃げようとする姉ちゃん。それを追うかのように、ぷかぷか浮かぶ浦井の成れの果て、うxこ。
ああ、話が元に戻った。 とまあ、高橋さんと僕の長電話の正体は、こんな話題なのです。でもそんな中から『ソドム』もできたわけで、馬鹿話もそう馬鹿にしたもんじゃありません。そういえば、浦井をタヌキにして、遠山智子をウサギにして『カチカチ山』をやろうという話もありました。
「高橋さん、『カチカチ山』本気で映画にしたやつ、まだ日本にはいないっすよ! やりましょう、『カチカチ山』!!」なんて話もしてましたね。ああ、これも浦井が背中に火をつけられたり、泥舟で沈められる話だ。僕は彼を憎んでるんでしょうか...。
しかし、もっと話がもどりますが、昨日『ミステリーゾーン』のあの話を思い出せ、と小寺を問いつめた時、泡食った小寺が「リ...リーマービンクリーフが...と口走って、大笑いになりましたが、あれって高橋さんにとって、曙の嫁さんの時と同じく「世の中がどうでも良くなる」笑い、にあたるんでしょうか? ああ、アホな文章書いてしまった。やっぱり疲れてるんですね。今日はここまで、それでは。 あっ、浦井君、なにか文句があったらここに書いて下さい。三つ巴往復書簡も面白いでしょう。受けて立ちます!!
熊殺し ウイリーアム・新谷・ガードラー
(文中の修身映画、これは必見です。といっても、ビデオなんて出てないけど...)
新潟縣魚沼川の悲惨事 四つの魂(46分・20fps・35mm・染色・無声)
学校で、家庭で「責任観念」を教え込まれた模範的な姉妹が、川に落ちた妹を助けるため次々に落ちて四人ことごとく溺死するという「美談」を、再現をまじえつつ劇化したもの。おそらく巡回映写用の作品で、修身の教材等に使われたと思われるが、キャメラを意識する素人の子供の表情が奇妙に生々しく、強烈な印象を残す。(以下略)
25(東京映画月報社)(監)森要(脚)長里清(撮)岩藤隆之(出)染谷定之助、御園艶子、中沢照子、芦屋すヾ子、坂井すみ子、白石まき子、中村嘉子